pymetrics ゲームは、問題に答える代わりに、風船を膨らませる、数字を覚える、相手とお金を分け合う、表情を読み取るといった短いゲームを十数個プレイする適性検査です。2022年からHarverの傘下にあります。ソフトウェアがプレイの仕方から特性のプロフィールを作り、その職種で活躍している人のプロフィールと比べます。所要時間はHarverによれば約25分、対策サイトでは25〜35分とされています。
pymetricsの基本情報
- 提供元
- pymetrics(2013年設立)。2022年8月にHarverが買収し、pymetrics.comはHarverに誘導されます
- 使われる場面(報告)
- 金融、コンサルティング、プロフェッショナルサービス、消費財などの新卒・若手採用
- ゲーム
- 基本12種類。職種によって数的・記憶のゲームが追加されることがあります
- 所要時間
- 約25分(Harver)、25〜35分(対策サイト)
- 測るもの
- 注意、意思決定、努力、感情、公平性、集中、寛大さ、学習、リスク許容度の9つの特性群
- 言語
- ほとんどが非言語。日本語の案内があるかは招待で確認してください
- 評価
- その職種の活躍者から作ったモデルと比較。共通の合格点はありません
- 再受検(報告)
- 提出後330日間は受け直せず、その間は他のpymetrics利用企業にも結果が共有されるとされます
評価の仕組み:正解のないテスト
pymetricsは普通の能力テストのように採点されません。報道と対策サイトによると、
- 企業が、その職種で活躍している社員(少なくとも50人)にゲームをプレイしてもらいます。
- モデルが、その人たちに特有のプレイの傾向を、大規模な参照データと比べて見つけます。
- 属性グループ間で通過率が偏りすぎないか(米国の「5分の4ルール」)を確認し、偏っていれば作り直します。
- 受検者のプロフィールをそのモデルと比べます。
つまり、誰にとっても「良い」プロフィールはありません。慎重に風船を膨らませる人が合う職種もあれば、大胆な人が合う職種もあります。一方で、適当なクリック、ルールの読み違い、動作の重いパソコン、途中の中断は、どの職種にも合わないプロフィールを生みます。
pymetricsの12種類のゲーム
| ゲーム | 内容 | 特性(報告) |
|---|---|---|
| Balloon | 1回膨らませるごとにお金が増え、好きなときに確定。破裂するとその風船の分は失う。色ごとに破裂しやすさが違う | リスク許容度 |
| Keypress | 合図の間、一つのキーをできるだけ速く連打 | 努力、集中 |
| Digits | 1つずつ表示される数字を覚えて入力。だんだん長くなる | 注意、記憶 |
| Arrows | 色によって、真ん中の矢印か両側の矢印の向きを答える | 注意、学習 |
| Lengths | 顔の口が長いか短いかを素早く判断。差はごくわずか | 注意、学習 |
| Cards | 4つの山からカードを引く。山ごとに報酬と罰の傾向が隠れている | 学習、リスク |
| Tower | 3本の棒の円盤を、できるだけ少ない手数で目標の配置にする | 計画、意思決定 |
| Money Exchange 1 | 相手にお金の一部を送ると3倍になり、相手がいくらか返す。公平さも評価 | 公平性、信頼 |
| Money Exchange 2 | 自分か相手に追加のお金が入り、分けるか取るかを決める | 寛大さ、公平性 |
| Hard or Easy | 少ない報酬の簡単な課題か、多い報酬の難しい課題かを選ぶ | 努力、リスク |
| Stop | 指定の色や形が出たときだけ押す | 注意、衝動の抑制 |
| Faces | 顔の表情から感情を答える | 感情 |
練習問題(オリジナル)
ルールや数値は練習用に作ったもので、pymetricsの実際の設定ではありません。
Tower(最少手数)。 棒は3本、動かせるのは一番上の円盤だけ。円盤は下から順に書きます。スタート: 棒1=赤、緑/棒2=青/棒3=空。目標: 棒3=青、赤、緑。最少何手ですか。
答え: 4手。青 2→3、緑 1→2、赤 1→3、緑 2→3。赤の上にある緑は、赤が先に棒3へ行く必要があるため2回動きます。最初の一手の前に全体の手順を決めてください。Towerは手数と考える時間の両方を記録するので、少し考えてから動くのは普通です。
Stop(押さない判断)。 ルール: 緑の丸のときだけ押す。順番: 緑の丸、緑の丸、緑の丸、赤の丸、緑の丸、緑の四角、緑の丸、青の丸。押すのはどれですか。
答え: 1、2、3、5、7番。6番は緑ですが四角です。押す流れが続くと、色だけ合ったものに反応しがちです。毎回、色と形の両方を確かめます。
Hard or Easy(1秒あたりの報酬)。 簡単な課題は7秒で100ポイント、難しい課題は21秒かかります。難しい課題の報酬がA: 200、B: 350、C: 420ポイントのとき、1秒あたりで難しい課題が得なのはどれですか。
答え: BとC。簡単: 100÷7≒14.3。難しい: A≒9.5、B≒16.7、C=20.0。ただし正しい戦略はありません。どれだけ努力とリスクを取るかがあなたの特性として記録されます。
対策と受検当日のコツ
Harverは、行動を見るゲームに勉強は不要という立場です。ただ、ルールを事前に知っておくとミスによる「ノイズ」が減り、追加の数的ゲームは練習で伸びます。
- 各ゲームの説明画面を必ず読む(どの色で「両側の矢印」になるか、どのキーを押すか)。
- 風船は色ごとに別々に考え、破裂を見るたびに判断を更新する。
- 「理想のプロフィール」を演じない。ゲームをまたいで矛盾したパターンになります。
- キーボード付きのノートパソコン、最新のブラウザ、安定した回線を使い、40分ほど確保する。
- 色覚の特性などで配慮が必要なら、最初のゲームの前に企業へ相談する。
出典
- Harver「Harver Acquires pymetrics」(2022年)
- Harver、ゲーム型アセスメント(約25分、9つの特性、非言語)
- MIT Technology Review(2021年、監査報道: 50人、12ゲーム、5分の4ルール)
- Wilson, C., et al. (2021). Building and auditing fair algorithms. *FAccT '21*
- Psychometric Success(12の基本ゲーム、25〜35分)
- GraduatesFirst(ゲームの仕組み、330日ルール、対応端末)

心理学修士、7年の受験歴。
最終更新:Oct 1, 2026